沖縄一周独り歩き(しおちゃんブログ)

世代交代の予感

今回の沖縄県議会選挙は、コロナ禍に実施された
2020年県議選で初めて50％を割り込んだ投票率から
更に1.7ポイント低いい45.26%と発表された
数字を聞いて残念に思った。

　55歳の時に知り合った転勤族に
沖縄県民は選挙熱が凄いですねと言われたことがある。

　しおちゃんも20代の頃
土建業で勤務した影響もあり選挙運動に駆り出され
選挙事務所に何度か出向した体験を持つ。

　お陰で政治家と知り合うことが多々あり
政治に対しては関心が高かったこともあり
投票を棄権した事はない。

　アメリカ占領下時代に生まれ
本土復帰を体験した世代のしおちゃんは、
沖縄の悩ましい歴史を肌感覚で知っている。

　高校受験を控えた中学3年時に
広島大学を卒業したばかりの近所の
お兄さんに勉強を教えられていたが、
ある日知事選挙の街頭演説会に
連れていかれた。

　まるでスポーツ観戦でもしているような
大人たちの熱狂する姿に圧倒された
記憶がある。

　復帰後したばかりの1972年6月に施行された
県知事選挙の投票率は、76.95％で
復帰後初の県議選の投票率は76.96%である。

　復帰前（1968年）の琉球政府立法議員選挙、
現在の県議会議員の前身の投票率は89.12%
なので県民の政治関心がいかに高いか
数字に表れている。

　沖縄県は、普天間基地問題がクローズアップ
されてから国政選挙のみならず地方選挙でも
全国からいつも注目を浴びている特殊な地域でもある。

　日米安保条約の過重な負担背負いながら
沖縄県は、全国ワーストが数多くあり
特に教育や貧困問題など数多くの難問を
抱えているにも関わらず日本政府や県外の
政治家達は、沖縄に寄り添うような姿勢を取りながらも
沖縄の負担は何も変わっていないと
多くの沖縄県民は感じている。

　普天間基地移設が発表されてから
２９年もの長い間、普天間基地は存在する。

　もしかしたら沖縄県民は、政治に対して
期待感を持てなくなってしまったのかもしれない。

　１９８２年の県知事選挙81.09％の投票率を
最後に沖縄県全体を対象とする全ての選挙で80％を
超えることがない。

　唯一80％台に迫ったのが1991年76.8％と1999年76.54％
に施行された沖縄県知事選挙でその後は、70％にさえ
満たない状況なのである。

　県議会選挙は、復帰後70％台を維持していたが、
1991年75.8%、2004年58.72%、2016年53.31%
となり前回の県議選から50％にも満たない結果となった。

　しおちゃんも昨今の裏金資金問題に
あきれているが沖縄県の普天間基地辺野古移転問題を
焦点にした呪縛から早く抜ける事を期待している。

　残念なことではあるが、辺野古の埋め立て工事は
止まるどころか進行している。

　オール沖縄で埋立阻止を訴え
政治交渉ではなく司法判断に委ねた沖縄県は
最高裁判決の結果が出ても妥協する姿勢を
示すどころか頑なまでに日本政府と対立している。

　沖縄県は選挙情勢は投票率が高ければ保守系が、
低けれ革新系が有利と言われていたが、
今回の県議選の結果はこれまでの常識が
分からない結果になってしまった。

　最低でも県外移設だと公言して誕生した
民主党政権は、約束を反故にして
沖縄県民の期待を大きく裏切った。

　政権交代しても結果が出せない
普天間基地問題は、そろそろ世代交代を
するか政治経験豊かな政治家に
任せてもいいのかもしれない。

　オール沖縄と声高々に叫び
「イデオロギーよりアイデンティティー」
「腹八分、腹六分」
でまとまった政治グループも完全に
崩壊したような気がする。

　投票率の低い今回の県議選での救いは、
女性政治家が増えた事と県政の議会清勢力が
逆転した事だと思う。

　民主主義の政治は、どうしても
数の力を必要とする。
　経験豊富な政治家が、故翁長武志前知事の様に
強力なリーダーシップを発揮して県民や政治家達の
心を揺さぶる政策を立案するか若い世代か女性の
リーダーを誕生させる土壌が築かれつつ
あるような気がする。

　左寄り右寄りの強い勢力を外した
中道勢力を沖縄から誕生する事を強く
願っている。

　全国的に勢力が弱っている自民党だったが
今回の県議選で躍進した自民党沖縄の
新たな姿勢で日本政府と政治交渉を発揮する事を
期待したい。

　埋め立てられてしまった辺野古の海を
これ以上進まないようにしっかりした対案を
示して欲しい。