奈良西大寺駅前

しおちゃん

2022年09月27日 09:25



本土復帰50年
 
 矢沢栄吉コンサートの興奮冷めやらぬ
塩ちゃんは、翌朝京橋駅傍にあるホテルで目覚めた。
関西空港20:10発と時間に余裕があったので
奈良西大寺駅に行くことにした。
 
 それと奈良には、高校の同級生がいて
日本縦断を達成したら会いに行く約束を
していた事も一つだった。
 
 無学な塩ちゃんは、西大寺駅を
ずっと「にしおおじ駅」と勘違いしていて
現地に来て「さいだいじ駅」とホームの表示版を
目にして一人照れ笑いしていた。
 
 その事を同級生に話をすると
奈良を代表する仏閣の一つが
東大寺(とうだいじ)だから西大寺(さいだいじ)
でしょうと同級生に言われても
笑ってごまかすしかなかった。
 
 JR京橋駅から鶴橋駅で近鉄に乗り換え
西大寺駅から安倍晋三元総理が銃撃された
現場に降り立った。
 
 テレビで何回も目にした現場は、
思ったよりも小さい交差点で犯人が
演説前が始まるまで立っていた場所の近くに
ある銀行の花壇に腰を掛けながら
同級生を待ちながら、当時の風景を
想像しながらこれまでの人生を振り返っていた。
 
 先の大戦で地上戦を体験した
祖先を持つ一人として生まれたが、
塩ちゃんは、誕生から小学三年生まで日本国民ではなく
琉球政府の国民として育った。
 
 戦争を知らない世代でありながら
沖縄に住んでいると郷土歴史は
常に先の大戦、琉球処分、薩摩の琉球侵攻と
被害者側に立った視点が先行する。
 
 沖縄は、琉球王朝として
世界に誇る歴史があるにも関わらず
負の遺産が強く表面に出てくる。
 
 去った沖縄県知事選挙でも
負の遺産である米軍基地問題が争点になる。
 
 琉球は、東南アジアを相手にした
大交易時代や日本最北端の北海道とも
交流があった歴史がある。
 
 沖縄には2万年以上前の港川原人の
古代人骨に代表されるように歴史がある。
 
 この地に来る一昨日京都の街並みに
触れた事で、もう一人の自分が塩ちゃんの
面持ちを見ていたのかまだ奈良の街並みに
触れてもいないのに以前来た記憶を
思い出していた。

国葬問題に続く

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