故郷も心の親友
温故知新
「ふるさとは遠くにありて思うもの」
市民の審判が下るのを待つ事しかできない
その日の夕方しおちゃんは、幼い頃から
何度も訪れた市内を一望できる
カママ嶺公園の展望台に独り佇んでいた。
この日も精力的に動いている友人の姿を
見ていると切なくなってきたので一声かけると
彼の心境を語る言葉が返ってきた。
とても人間味のある言動に今更ではあるが、
これまで通り彼を信じることにした。
しばらくすると側に寄ってきて
「一旦家に帰って戻って来る」と
この期に及んでも甘えるどころか
塩ちゃんに気遣いの言葉を投げる友の心境に
胸が熱くなった。
独りになりたかったしおちゃんは、バイクを飛ばして
パイナガマビーチに行き向かいの伊良部島にある
牧山展望台を目指して伊良部大橋を走ったが、
あまりにも風が強いので引き返しカママ嶺公園の
展望台しかないと判断した。
これまでの経験から選挙事務所にどっぷり
遣っている時に勝利の手ごたえを感じる直感が
外れた事は一度もなかったが、友人の心境を
思いやると言い知れない嵐の前の静けさの
心境に向き合っている男になっていた。
告示の日に同級生の草野球チームのメンバーに
大歓迎されてその中の二人が満面の笑顔でしおちゃんに
接してくれたことが頭から離れられずにいたので
無性に声が聴きたくなったので電話した。
落ち着かないから展望台の景色に癒されているよと
口にすると「ロマンチックだなぁ」と言われた。
ナイスな反応に同じ空間で汗を流していた
純粋無垢な少年時代にタイムスリップした
しおちゃんは、心の原風景を覗いていた。。
ふるさとに立っているのに
「ふるさとの山に向かいて言うことなし
ふるさとの山は有難きかな」
石川啄木の詩と冒頭の
「ふるさとは遠きにありて思うもの」
と二つの言葉がフラッシュバックした。
「人事を尽くして天命を待つ」
勝利を確信していたからこそまさかのアクシデントが、
怖かったが滞在期間中この地にある三つの神様に
毎朝一日も欠かさず参拝してきたので神様は
見守ってくれていると信じ切っていた。
今日で仕事が終わるので、どのタイミングで
那覇に戻るか思案している時に公園の近所に
実家のある親友の一人が来たので正直な思いを
彼に伝えると澄んだ眼差しをしていた。
ふるさとの景色をしっかり目に焼き付けた
塩ちゃんは、親友のカタチがどんなものなのか
自分なりに悟りの境地みたいな気分になっていた。
親友と呼べる存在が、多数いる事で
これまでの人生を豊かに暮らせたと
感謝しても感謝しきれない気持ちを大切にしている。
塩ちゃんの人生理論では、
夫婦のように両思いでなくても自分の想いがあれば
疎遠になっても親友は親友だと思っている。
その時々で、親友といえども価値観の違いを
感じる事はあるし夫婦でも百パーセントの
価値観などありえないだから接する距離感より
心の距離感が大切だと気づいた時間だった。
心に温かい風を求めて脳裏に浮かんだ顔は
二人の少年野球仲間と一人の親友だった。
当選の瞬間から翌朝以降、
多くの親友から祝福の連絡が相次いだ。
友情に感謝。出逢いに感謝。
人間っていいなぁ。
生きている喜びを与えてくれる。
塩ちゃんの人生道の神様に感謝しながら
座右の銘を改めて心に刻んだ。
「感謝・感動・感激
-温故知新の心で-」
「感道信歩」
全ての道に感謝の気持ちがあれば
自分の信じた道を歩ける。
By 歩ちゅう塩ちゃん
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